妊娠しやすい体づくり

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もっとも妊娠しやすい妊娠適齢期は20歳~34歳

医師が教える妊娠しやすい体づくりのガイドブック

男性の精子は毎日作られる一方、女性の卵子の数は生涯で限りがあります。女性が生まれたときにはおよそ200万個の原始卵胞(卵子のもととなる細胞)が存在します。しかし思春期までにその数はおよそ20万個になり、加齢ともにどんどん減少していきます。そのため女性は基本的に若いうちのほうが妊娠しやすいといえます。

 

女性の妊娠率は35歳を超えるとおよそ35%に低下します。同時に35歳を超えると流産率も上昇するため、出産を希望する場合はなるべく早くに妊娠するようにするとよいでしょう。

妊娠適齢期なのに妊娠しにくい原因

なるべく若いうちのほうが妊娠をしやすいことは確かですが、妊娠をしにくい体質の人も存在します。生理不順を引き起こしやすい体質である以下のような特徴がある人は妊娠しにくい体質の可能性があります。

 

低体温が原因によるもの

医師が教える妊娠しやすい体づくりのガイドブック低体温はもともとの体温が低いことを指します。筋肉量の不足やエネルギーの不足により体温が下がってしまっている状態です。低体温の場合、身体の代謝能力が下がり正常な周期で生理が発生しない可能性があります。生理周期はおよそ28日間で1周します。妊娠をするためには排卵を境に前後3日の間に性行為をすることが必要になります。低体温は生理周期を遅らせたり、そもそも生理を発生させなくしたりする可能性があるため妊娠を希望する際は注意が必要です。

■ 低体温の対策

低体温の対策としては基礎代謝を上げることが重要です。筋力トレーニングやランニングなど比較的強度が高いスポーツを行うことで筋肉量が増加し、基礎代謝を上げることができます。同時に十分にエネルギーを摂取することも重要です。エネルギー不足が続くと筋肉が消費され基礎代謝が低下するうえ、体温を発生させにくくなるため低体温を引き起こします。

 

冷え性が原因によるもの

医師が教える妊娠しやすい体づくりのガイドブック冷え性は低体温と似ていますが少し違います。低体温が体全体が冷えているのに対して、冷え性は体の中心で暖められた血液が手足などの末端に十分に供給されない状態です。冷え性は血流が悪化することによって発生します。血流が悪化すると子宮や卵巣に十分に酸素や栄養素が供給されないため、ホルモンバランスの乱れや卵子の活性の弱まりが発生します。そのため妊娠しづらくなってしまいます。

■ 冷え性の対策

冷え性の対策としては低体温と同じく基礎代謝を上げることが重要です。また継続的にスポーツを行うことも有効でしょう。スポーツを行うことで血流がよくなり、体の隅々まで血液を送ることができます。また半身浴を行うことで体を内部まで温めることも有効です。

 

痩せ型の体質が原因であるもの

医師が教える妊娠しやすい体づくりのガイドブック体重があまりに低いと低体温や冷え性を引き起こしやすくなってしまいます。妊娠を考えている際はなるべく適正体重を保つようにしましょう。低体重の基準は以下の計算式により求めることができます。

18.5≧体重(kg)÷(身長×身長)(m)

■ 対策

上記の計算式で18.5未満の人は低体重です。低体温や冷え性になりやすいほか、体の免疫力も低下している傾向にあるためしっかりと18.5を超えるように食事を摂りましょう。最低でも1800kcalの摂取を目標にするとよいでしょう。

 

ストレスが原因によるもの

医師が教える妊娠しやすい体づくりのガイドブックストレスが多いと人は自律神経のうちの交感神経が刺激されます。交感神経は興奮や緊張、日中の活動の際に必要になる神経です。適度な緊張をもたらし活発に行動をできるようにする働きがあります。しかしストレスが多いと常に交感神経が優位になり、本来休息をすべき夜間にも緊張し続けてしまうこととなります。交感神経が優位になると血管が収縮して、末端部に血液が届きづらくなります。冷え性の原因となるため妊娠をしづらい体質になってしまいます。

■ ストレス対策

ストレスの原因となっているものを取り除くか、適度に発散することが重要です。カラオケやスポーツなどストレスを発散できる趣味を見つけることが有効でしょう。

 

睡眠不足の人

医師が教える妊娠しやすい体づくりのガイドブック身体の代謝の多くは睡眠中に行われます。睡眠不足は正常な代謝を妨げ、生理不順や低体温などの原因となります。そのため睡眠不足が慢性的に続いている人は妊娠しづらい体質となってしまいます。

■ 睡眠不足の対策

睡眠不足にならないように1日に最低6時間は睡眠を取るようにしましょう。様々な代謝にかかわる多様なホルモンは睡眠中に特に多く分泌されます。ホルモンの分泌を多くするためにも20時から24時までの間には就寝をするようにしましょう。

妊娠しやすい体づくりの為の食生活&栄養素

妊娠を考えているときに十分な栄養素を摂取できないと低体温や生理不順を招く可能性があります。妊娠を考えているときは以下のポイントに注意をした食生活を送りましょう。

 

必要なエネルギーは生活習慣に応じて

人間に必要なエネルギーはその人の生活習慣に応じて異なります。デスクワーク中心の人は必要カロリーが少ないですし、営業などで外回りをする人はその分多く必要になります。摂取カロリーは以下のポイントに注意しましょう。

 

身体活動レベルが低い人 1日もほとんどを座ったり寝たりしている状態で過ごしている場合は20代の女性で1650kcal、30代の女性で1750kcalの摂取を目安としましょう。
身体活動レベルが普通の人 デスクワークが中心の生活だけれどもそれ以外で通勤や家事などで体を動かす場合は20代の女性で1950kcal、30代の女性で2000kcalの摂取を目安としましょう。
身体活動レベルが高い人 営業でほとんど外回りをしていたり、日常的なスポーツの習慣があったりする場合は20代の女性で2200kcal、30代の女性で2300kcalの摂取を目安としましょう。

 

大豆イソフラボンを摂取する

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大豆に含まれているイソフラボンは女性ホルモンのバランスを補う働きがあります。大豆イソフラボンを摂取することで生理周期を調整する効果が期待できます。大豆イソフラボンはその名のとおり、大豆に多く含まれています。そのほか豆腐や納豆といった大豆加工食品にも多く含まれているため、日常的に摂取しやすい成分でしょう。大豆イソフラボンには摂取量の上限値が存在します。1日に75mgまでの摂取を目安にしましょう。納豆1パック(約50g)にはおよそ35mg、豆腐1/3丁(約100g)にはおよそ20mg、豆乳1パック(200ml)には約50mgの大豆イソフラボンが含まれています。和食中心の食生活ならば十分に摂取できるでしょう。

 

生姜を摂取する

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生姜に含まれているショウガオールやジンゲロールには体を温める働きがあります。ジンゲロールには血管を拡張し血流を改善させる作用があり、冷え性の改善に効果的です。ショウガオールは代謝を活発にして体温を上げる働きがあります。ショウガオールは生姜を加熱することによって発生するため、熱を加えて食べるとよいでしょう。

 

亜鉛を含む食品を摂取する

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亜鉛はタンパク質やDNAの合成、ホルモンの分泌などに関わるミネラルです。性ホルモンの分泌にも関わるため、十分に摂取することが重要ですが日本人にとっては特に不足しやすい栄養素です。亜鉛は牡蠣や赤身の牛肉に多く含まれています。また不足しやすいためサプリメントから摂取するのも有効でしょう。

 

葉酸を十分に摂取する

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妊娠を考えているときに一番重要になる栄養素が葉酸かもしれません。
葉酸はその名のとおり、緑の濃い葉物野菜に多く含まれています。モロヘイヤや枝豆は100gでおよそ240μgの葉酸を含有しています。そのほかほうれん草や菜の花、パセリや春菊は200μgです。葉酸には食品に含まれる天然のもののほか、サプリメントなどに使われる人工合成のものも存在します。葉酸の効力は人工のもののほうが強いため、妊娠前の妊活時や妊娠中はサプリメントを利用するのもよいでしょう。牛や鳥、豚のレバーにも多く含有されていますが後述する理由でそれらからの摂取は避けたほうが良いでしょう。

 

ビタミンAを摂りすぎない

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ビタミンAは健康を維持するために必要ですが、妊活中や妊娠時の摂取には注意が必要です。特に妊娠初期にビタミンAを過剰に摂取してしまうと胎児の奇形を発生させてしまう可能性があります。ビタミンAの摂取基準は20代女性で650μgUAE、30代女性で700μgUAEほどです。しかし牛や豚、鳥のレバーには100g中に10000μgを超えるビタミンAが含有されています。アンコウの肝にも100g中およそ9000μg、ウナギのかば焼きにはおよそ3000μgのビタミンAが含有されています。妊娠初期に継続的に摂取ししまうと胎児に影響が出る可能性が高まります。

 

妊活時や妊娠中のビタミンAの摂取はβカロテンから行うのが良いでしょう。βカロテンは腸管で人体に必要な分だけビタミンAに変化します。ニンジンやほうれん草、カボチャなどの緑黄色野菜に多く含まれています。動物性のビタミンAとは異なり過剰症の心配がないため安心して食べることができます。

妊娠しやすい体づくりの為の生活習慣

妊娠を意識し始めたらしっかりと女性ホルモンの働きを高めることが重要です。女性ホルモンの働きを高める生活習慣には以下のようなものがあります。

 

しっかりと運動習慣をつける

医師が教える妊娠しやすい体づくりのガイドブック運動習慣をつけることで筋肉量が増加し、基礎代謝を高めることができます。基礎代謝が高まると体温が上がり、子宮や卵巣の機能も高まり正常な女性ホルモンの分泌がされます。妊娠を考えている際は運動習慣をつけるようにしましょう。ウォーキングやジョギングなどでも十分です。運動習慣をつけることで妊娠後も役に立つでしょう。

半身浴を行う

医師が教える妊娠しやすい体づくりのガイドブック入浴方法を半身浴にするようにしましょう。38度から40度くらいのぬるめのお湯でみぞおちのあたりまで浸かり、20分ほどしっかりと温まりましょう。半身浴を行うことで体の内部までしっかりと温めることができます。また血流を改善させる作用があるため、温かい血液を全身に循環させる働きも期待できます。
40度を超えるような熱いお湯に浸かるのは気持ちいいですが、交感神経を刺激してしまう作用もあります。朝、目を覚ますために熱めのシャワーを浴びるのは有効ですが夜に熱いお湯を浴びると睡眠の質を下げてしまいます。反対に半身浴のようなぬるめのお湯に浸かると副交感神経を刺激して睡眠の質を高めることができます。

睡眠時間をしっかりと確保する

医師が教える妊娠しやすい体づくりのガイドブック睡眠中は成長ホルモンやエストロゲン、プロゲステロンといった女性ホルモン、黄体刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモンといった妊娠に重要になるホルモンが分泌されます。睡眠不足になるとそれらのホルモンが十分に分泌されなくなるため、妊娠しづらくなってしまいます。
睡眠の仕方にもポイントがあります。ホルモンは就寝後2時間で多く分泌され始めます。また22時から26時の間が特に多く分泌される時間帯のため、少なくとも0時には就寝をするようにしましょう。また睡眠時間は最低6時間確保するようにしましょう。

基礎体温をつける

医師が教える妊娠しやすい体づくりのガイドブック女性の生理周期はおよそ28日で一周します。排卵を境に女性の体温は低温期と高温期に分かれ、およそ0.5度の違いが生じます。受精ができるタイミングは排卵を境に前後3日ずつ程度のため、しっかりと基礎体温をつけて排卵のタイミングに性行為を行うことで妊娠しやすくなります。

対策しても妊娠できない場合

妊活中:産婦人科の医師によるカウンセリング

妊娠しやすい食生活や生活習慣を行い、パートナーとの夫婦生活も定期的に行っているのにも関わらず1年以上妊娠できない場合は不妊症である可能性が高いです。
自然に妊娠ができない場合は婦人科や産婦人科で一度診察をうけることをお勧めします。
女性側に何らかの問題がある場合もありますし、男性側に問題がある可能性もあります。
原因を特定することで人工授精や体外受精などの治療を受けることができます。

妊娠しやすい体づくりの為に実践することまとめ

この記事のまとめ

  • 女性の卵子は生涯で数に限りがあるため、基本的に若いうちのほうが妊娠しやすい
  • 妊娠しにくい体質もあるため、その場合は改善することが必要
  • 受精のタイミングを正確に把握することは難しいため妊娠初期に必要な栄養素や注意が必要な栄養素は妊活中から気を付ける必要がある
  • もしも1年以上妊娠ができないならば不妊症の可能性があるため、専門の医師に相談することが重要

産婦人科ドクター

 

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