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産婦人科で処方する葉酸は2種類

産婦人科で処方される葉酸の種類は

 

まず産婦人科や医療機関で処方される葉酸には大きく2種類あります。それは「高用量の葉酸が配合された医薬品としての葉酸」「通常の葉酸サプリメント」です。これは担当医師の判断で処方が決定されます。

 

● 高用量の葉酸が配合された医薬品としての葉酸とは?

フォリアミン錠剤

食事等からの葉酸摂取が難しい妊婦に向けて医療機関で処方されるのは「フォリアミン」という名前の薬です。フォリアミンには錠剤タイプと散薬タイプ(粉末状の薬のこと)の2種類があります。症状と状況に合わせて処方される薬のタイプが決定します。

 

フォリアミン1粒には5mg、フォリアミン散100mg/gには1g中に100mgの葉酸が含まれています。一般的にフォリアミンを成人が服用する場合には、処方する病気の内容に合わせて1日に5~20mgの摂取が指示されます(※1)

 

なお医師にもよりますが妊婦に葉酸の摂取を促す場合ですと、1日あたりフォリアミン0.1錠(0.5mg)の処方を指示するケースもあれば、中には1日あたり1錠(5mg)の処方を指示するケースもあります。

 

フォリアミンは主に葉酸欠乏症の予防および治療で処方されることが多いですが、医師の中には葉酸の摂取をサポートするために処方をする場合があります。またリウマチ治療において副作用を軽減するために処方されることもあります。

 

● 医師の判断によっては市販の葉酸サプリが処方されることも

サプリメント

産婦人科医の判断によっては、医薬品だと高用量すぎるため市販の葉酸サプリメントが処方される場合があります。処方されるメーカーは医師によって異なります。

 

厚生労働省からは妊娠婦の場合、1日に葉酸サプリメントから0.4mgの葉酸を摂取されることがすすめられています(※2)。産婦人科医の多くがすすめる葉酸サプリメントでは、1日あたり約0.4mgの葉酸の摂取が可能です。市販の葉酸サプリメントの場合にはビタミン・ミネラルが豊富に含まれていることが多いため、これらの栄養素もサプリメントを通して一緒に摂取することが可能です。

 

他の薬やサプリメントを併用している場合には、予め診察時に医師に相談されることをおすすめします。

高用量の葉酸の処方方法と費用の目安

処方された薬袋高用量の葉酸が配合されているフォリアミンは医薬品のため、主に特定の症状を持つ方にのみ処方されます。なおメーカーに確認したころ現段階ではフォリアミンの後発医薬品(ジェネリック医薬品)は発売されていません。フォリアミンが処方されるのは以下のような症状や治療、予防のためです。

 

【フォリアミンが処方される場合】

● 葉酸欠乏症の予防および治療
● 葉酸の需要が増大し食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦など)
● 葉酸の欠乏や代謝障害が関与すると推定される貧血などの治療(・栄養性貧血 ・妊娠性貧血 ・小児貧血 ・抗けいれん剤、抗マラリア剤投与に起因する貧血)

 

などの目的で処方されます(※1)

 

なおフォリアミンに含まれる葉酸は、市販のサプリメントと同じくプテロイルモノグルタミン酸型の葉酸です(※2)

 

母体に葉酸を補う目的の場合には、一般的に1日あたり0.1錠(0.5mg)程度の摂取になるよう調整して処方されるケースが多いです(※2)。なお葉酸自体は水溶性のビタミンのため、多量に摂取しても体で使われなかった分は体外に排出されます。そのため医師によっては1日1~2錠の頻度で服用を促すこともあります。

 

フォリアミンの薬価

 

それぞれの薬価はフォリアミン1錠あたり9.6円(※3)、フォリアミン散1gあたり58.30円です(※4)。基本的に「予防目的」で処方される場合には、保険適用外になります。これは保険適用になるのが「治療目的」の場合に処方された場合のみだからです。

 

葉酸欠乏症などの治療の目的でフォリアミンが処方されるケースはありますが、妊娠目的(無脳症の予防等)では処方してもらえないケースがほとんどです。病院によっては管理栄養士からの「食事指導など葉酸が摂取できる生活習慣の見直し」をすすめられることがあります。

産婦人科で処方される葉酸サプリメント

妊婦検診

最近では市販の葉酸サプリメントを処方する病院やクリニックが増えています。医薬品では高用量過ぎること、患者の費用負担を抑えることが理由として挙げられます。人によっては、市販の葉酸サプリメントを摂取することで他のビタミンやミネラルを満遍なく摂取させるという目的で処方されている場合があります。

 

妊娠初期に現れる症状の一つである貧血を治療、予防するために葉酸と鉄分が一緒に摂取できるタイプのサプリメントを処方されることがあります。

 

医師によって処方の頻度等が異なりますので、サプリメントの摂取をお願いしたい場合には自分から話しを持ちかけるようにしましょう。この場合も「予防目的」での処方となるため、保険適応外となる場合がほとんどです。

妊娠時は葉酸サプリメントの上限は約0.4mg

厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2015年版)によると、妊婦中の場合には食事から通常摂取0.24mgにさらに0.24mg加えた0.48mgの摂取が推奨されています。葉酸サプリメントからの摂取が推奨されているプテロイルモノグルタミン酸型の推奨摂取量は0.4mgです(※5)

 

産婦人科や病院で処方される葉酸の種類と処方方法・費用の目安まとめ

これは妊娠前から妊娠初期にかけて通常の葉酸摂取量よりも量を増やすことにより、妊娠初期に胎児に発症する可能性がある“脳や脊髄などの中枢神経に異常が生じる「神経管閉鎖障害」という先天性異常”を予防することが目的です。

 

主な症状としては脊椎が外にでてきてしまう「二分脊椎症」、頭蓋骨と大脳が欠損した状態の「無脳症」が挙げられます。日本では先進国の中でも二分脊椎症の発生頻度が高く、その発生頻度は2007年で分娩10,000件あたり約400件と推測されています(※6)。それに対して無脳症の発症頻度は分娩1,000件あたり約1件です(※7)。分娩10,000件あたりですと無脳症の発生頻度は約10件になります。

 

妊活時から必要量の葉酸を摂取している場合には、神経管閉鎖障害の50~70%が予防できることが確認されています(※8)。しかし国内でも発生頻度が高い二分脊椎症については主要な原因が解明されていますが、無脳症については確かな原因が解明されていません。現在日本では無脳症の発症は、「母体の栄養状態」「飲酒」「喫煙(受動喫煙)」「母体の先天性の病気」「遺伝子的要因」「高齢出産」などが関係していると考えられています(※7)

 

産婦人科や病院で処方される葉酸の種類と処方方法・費用の目安まとめ

二分脊椎症と比較すると発症リスクが低い無脳症ですが、サプリメントや医薬品からの葉酸の摂取だけではなく、リスク要因として考えられる母体の栄養状態や飲酒、喫煙などの生活環境の改善を見直していく必要があるとされています。一人での改善が難しい場合には、担当医から管理栄養士などの専門家を紹介してもらうなどして改善を目指しましょう。

まとめ

この記事のまとめ

 

ここでは産婦人科で処方される葉酸の種類とその違いをはじめ、妊娠中に摂取したい葉酸量や気をつけたいことについて紹介しました。

 

予防による処方の場合には基本的に保険が適応されないため、産婦人科からの葉酸サプリメントの処方を検討している場合には、まずは相談からはじめてみてはいかがでしょうか。医師への相談を通して病院やクリニックで処方される葉酸について理解していきましょう。

産婦人科ドクター

 

 

  • 引用文献
  • 参考文献

 

産婦人科の医師が葉酸サプリの選び方を教える

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